東京都中央卸売 豊洲市場 青果仲卸

社長ブログ

不労収益


このコロナ禍でいろいろ生活習慣に変化がみられています。テレワークなるものが定着する中で、出社が出張扱いにする企業すら現れてきた。世の中の風潮としては、決してありえないことではないと思う。

我々の業界では、人と接することを無視できないと思っていましたが、ニーズがそれでいいとなってきている様子がうかがえ、複雑な気持ちになっております。

さて、そういった環境の中、不労収益を得るという人たちがいます。テレワークなどは立派な仕事。しかしながら、テレワーク風っての中に、詐欺やマルチ商法など不労収益得る人たちがいる。一瞬合法的に見える、いや合法的にやる言わば法の網をくぐる商法が存在する。恥ずかしながら私もその手中にハマった経験がある。そこで、やり方の一部を紹介しよう。

ターゲット:①一髪千鈞を狙う人②友達が少ない③多少のおカネはあってもっと増やしたいと思っている人④楽しい事珍しい事を優先する人⑤トレンドにわき見も振らず飛び込む人⑥批判的意見を言ってくれる人が少ない人⑦視野が狭い人⑧趣味がなく時間を持て余している人 などが主にターゲット。

商法:先ずいきなりその商売の話はしない。コミュニケーションを重視し、仲間意識を定着させる。楽しくてかつゴージャスに。羨ましいという心理を沸かせる。信用が付いたところで、個人レベルのお祝いやプレゼントを理由をつけてあげる。もらった人にお世話になったという気持ちにさせる。信用が付いたと思ったら、今度はパーティや集まりに誘う。もちろんゴージャス・楽しいパーティ。そこで知り合う人はすべて理解がある人達。それはそうです。同じ目的上にいるのだから。そこまでいくと自分は友達ができたと勘違いする。幾度かその集まりやパーティに出ているうちに、友達モドキ・ハマっている仲間からその商売をしないかと勧められる。自分一人だけやっていないことに負い目を感じ、ちょっとだけとその商法上にハマってしまう。自分の損得は別に、今度は自分の周りの人を引きずりこむ。

友達から友達へその輪が広がるマルチ商法やねずみ講。友達?親友?知り合い?その付き合う度合いが、ネットの付き合いばかりしているから、分からなくなる。生身の人との付き合いとなると全くの無防備。利害関係のない学生時代の感覚に覚醒される。マインドコントロール・洗脳はこうしてなされていく。

優しさは誰でもすることができる。思いやりは誰でもできない。自分に厳しく言ってくれて、いざという時に行動してくれる人。そんな人と出会えるように、自分も気配り・目配り・心配りを忘れぬように周りをある程度意識するのがいいのではないでしょうか。

人脈


父は、築地市場でただひたすら信用を得るために、一日、一週間と努力に努力を重ねてきました。名前こそ残らないアイディアを出し、今日の流通に役立っています。一つだけ欠けていたものそれは「人脈作り」。唯一なる父から伝承できなかったものです。

父の人脈は、アドバイスは頂けても支援はしてくれなかった。きっとそれは私が考える人脈とは違ったものでした。自分のウィークポイントを知っている父は、京都に私を出した際に、「いっぱい知り合いを作れ」「そして人脈作りのきっかけを作れ」と。

人見知りをしない私は、難なくいっぱいの知り合いを作りました。しかし、人脈と言えるものではありませんでした。縁をやたらに切らない私は、時代の流れとともに友人が立派な人脈に変化していったことに気づきました。

幾度か失敗をした経験で、この年になって、人脈作りとは信用・信頼は当たり前で、その人と知り合う「きっかけ」や「紹介」など中間に入った人の顔をつぶさないように、気配りをすることに尽きることを知りました。

人脈作りは、信用・信頼・時間やおカネなど、長期にわたるコストがかかってできるものであり、紹介をする側にとっては財産なのです。

財産というとどうしてもおカネや不動産などに注目しがちですが、実はそれらも人脈によって作られます。自らの努力は勿論の事、運を味方につけ、人と知り合い、粛々と信用信頼を積み上げ、人脈を作る。

人脈こそ本当の財産と、わかる時が必ず来るような人間になるよう頑張りましょう。

シェアーと相場


市場=シェアー。市場では、占有率が相場に何らかの影響があると考えています。事実、各市場内において商品によっては大口需要者が、その商品のシェアーを占めることで、相場を形成していることが見受けられる。それを一般的に「その商品はどこが強い」とかよく耳にします。どの市場でも。それは、以前仲卸は専門性に特化していたからです。

大根屋、キャベツ屋など、その取扱いに特化した仲卸が存在していて、お客様は市場にて「買い回り」という買い出しをしていました。しかしながら、近年、量販店などのバイニングパワーに押されて、仕入に対する合理性が求められ、最低でも「野菜と果実」に分けられた仕入なり、中には「野菜果実」を一人のバイヤーでこなす仕入をするようになったことで、自ずから野菜屋と言われた仲卸が、果物まで扱うようになり、今ではほとんどが青果全般を扱うようになりました。

しかしながら、過去に強かった商品取り扱いが弱ったわけではないところもあり、そのシェアーを抑えつつ成長しているところもあります。

そんな中、その背景の後押しに「買い支える」という仕入が行われてしまいます。実際の売れる価格ではなく、出荷者希望価格に沿った価格帯での販売が強いられ、それは需要と供給のバランスを無視した販売です。この現象は、出荷者のパワーに押され、荷受会社が出荷者の要望価格を押し付けられ(次回の出荷を止められる恐怖)に、その商品のシェアーを持っている仲卸に買い支えを要求する。買い支える側の心理として、今後のシェアーと優位になる仕入に期待を込めて、応じてしまいます。

この現象は、荷受会社間でも同じ。市場は委託と買い付けがあって市場流通に面白みがあるが、委託が減れば減るほど競争の原理が機能しなくなり、消費者にとっていい事かどうか疑問になる。

また、作られた相場はいつまで続くのか・・・