東京都中央卸売 豊洲市場 青果仲卸

社長ブログ

己を知る


「人は人、ウチはウチ」ってよく子供の頃言われました。決して豊かではなかった私の幼少期。笑えるエピソードいっぱいあるけどそれは機会があったときに話しますね。

今現在世間は、コロナの影響もあってか生活様式にあちこち変化が見られます。会社でいえば待遇など会社によって格差が出てきているように見えます。市場では、中小仲卸が主となっているので、なかなか大企業のような待遇はやりたいけどできない現状。経営者の頭が痛いところです。

メディアでは、市場に限らず中小企業がやりたくてもやれない新しいビジネススタンスを紹介して、あたかもどんな会社でもできる風なことを放送しています。それに感化され転職する人も多いのではないでしょうか。

会社はM&A関連、人は転職サイトと毎日のテレビ・SNSなど溢れんばかりの宣伝ラッシュ。

あれを見ていると、それが得するように思える。「徳」ではなく「得」。NHKの番組でフリーランスをクローズアップして、その光と影を見事に分かりやすく放送していました。

結論から「己を知れ」という格差を生む現実です。

新しい人生を選択するのであれば、先ず己を知って、過信することなく、牛歩でも前に進める人生を選択してほしいものです。そんなに世の中は甘くはありません。

友達のアドバイスもいいですが、選択を間違えた結果を友達は救ってはくれません。その道の尊敬できる人達の話をよく聞き、己を知り(痛いところを突かれても素直に聞き入れる)間違った道を選択しないように、その時を待つことだと思います。

何が起きるか分からない時代だからこそ、生き急ぐことは個人ではあまりにもリスキーではないでしょうか。

先ずは己を知ることです。

買い回り仕入の限界


築地という立地で、地域に有名問屋が集結していた市場は、買い出し人にとって便利であった。しかし、豊洲に移るとそうはいかない。買い回りバスによって軽減を狙うも不便さを感じる。頑張って6街区(魚)と5街区(野菜)を行き来するも距離があり、移動だけで往復30分は覚悟しなくてはならない。

豊洲に移転が決まってから、私は築地的仕入の限界を唱えていて、更にコロナによって、その限界を目の当たりにすることになり、日々不便さを愚痴るお客様にお決まりフレーズの「だから言ったでしょ」と言っております。

買い回り仕入をするお客様に、常に私は「仕入先の軸を決めて」と言っております。そのためには、仲卸の内容を知ることが大事です。仲卸は、大口得意先によってその機能が違います。120あまり同じような店構えなのですが、その内容は、個性豊か。市場において、より良い仕入をするためには、仲卸を知ることです。きっと自分に合った仲卸が見つかるはずです。

仲卸の経営も、いろいろな締め付けがあり、以前のようにはいきません。それが結局実需者にしわ寄せがいってしまうのです。だからこそ、その対策をこのコロナ禍のうちに修正したらと思います。

以前にも唱えたように、「仕入とお買い物は違う」のです。

生き急ぐなよ


コロナでいろんなことが見えたのはいいけど、何かにみんな焦っているような気がする。目まぐるしく景気は揺れ動き、SNSの超加速浸透で情報が溢れかえり、真実も見極める時間さえ無くなっているように思える。

還暦を迎えて振り返る機会が増え、想像もできない未来にただ我武者羅に突っ走ってた。この仕事を通じてたくさんの人と会い、たくさんの人生勉強もさせてもらった。

私には、師と仰ぐ人がたくさんいる。だから、その人たちの期待を裏切らないように、常に走ってきた。エスカレーターの逆走の日々。そろそろ踊り場にたどり着いてきているように思える。

何かを判断する時に、自問自答だけでなく、人生をたたき上げてきた先輩たちの経験談を聞くことを勧めます。経験がいつの時代でも形を変えて、教えてくれる。だからこそ、先輩のポジティヴな経験話を聞くように心がけたほうが良いと思います。

これからできる限りの継承していこうと思っています。公私にわたって。実践経験を元にしたことしかアドバイスはできないけど、近道を教えられたらと思う。ただし、生き急ぐ事なかれ。それとは意味が違う。経験に勝るモノは絶対にないという事を。

生き急いで転職に転職を重ねると、いつしか世間は経験値という有利な部分とは裏腹に、簡単に人と縁を切る軽い人と見られる。法人と個人どちらも人間という感情の動物がコントロールしていることを忘れてはいけない。

還暦


早いもので実感はないけど「還暦」を迎えてしまいました。とりあえず過去を振り返りながら、この一年間還暦を味わっていこうかと思います。

還暦=初老ってことに世間はなるけれど、周りからは「こんな元気な老人は嫌だ」なんて言われています。第二の人生のスタートという人もいますが、自分は変わらないのが一番と思います。決してチャレンジを嫌がっているわけでもなく、ただ、自分がここまでになれたのは、周りの人の後押しなしでは考えられません。

自分で声に出して目標を他人に伝え、それをひたすら目指しやり続けている。有言実行。こんなに重い言葉はありません。自分のみならず続かなければ、他人に失望させてしまいます。自分のはいたツバを呑まないほど厳しくツライ物はない。自分との闘いだから。

東京都より任命された「取引委員」も今月で卒業。今度は、副理事長としての職務に就くことに。還暦になっても変わらぬ元気印で、がんばろう!

メリハリ


仕事は楽しくないとやってられない。楽しいとか嬉しいとかは、メリハリによって引き起こされる感情と私は考えています。いい事、成功、達成などは、つらい事、苦労した事などの楽しくない事を乗り越えて味わえたもの。

何もかも満足いく状態(メリハリのない)は、それすらを満足できなくなるのが人間。メリハリすなわち喜怒哀楽。平和は、不幸があるからその素晴らしさを実感する。つらい厳しい事を乗り越えたから、成功や達成など厳しければ厳しいほどその喜びは大きくなる。

得意先の料理屋さんで休みなしで死に物狂いで仕事をしている人たちがいます。本人は「キツイよ~」「疲れるよ~」など愚痴をこぼしつつ「楽しい」「やりがいがある」など言っています。かなり瘦せている姿は、その現実の厳しさを物語っていますが、目つき顔つきは前をしっかり見ているように見えます。

希望に満ちた姿。老若男女問わず素晴らし人間の輝きを感じ、パワーをもらったような気がします。

今年で還暦を迎える自分、気力体力ともコロナに押され気味で、下向き加減だった日々からの脱却のきっかけにしなきゃ得意先に元気をあげられない。

おカネ君の話


おカネ君は、臆病者で寂しがり屋。いつも自分の後ろについてくる。仕事を一生懸命やってるときは、前を向いているので、おカネ君がついてきているのに気づかない。

ある時、ふと気になって振り返ると、おカネ君はビックリして固まった。近づくと後ずさり。おカネ君ともっと近づきたくて、じりじりと詰め寄るとあたふたとおカネ君たちは、逃げるように離れていく。

きっとおカネ君たちに嫌われているんだと諦めて、また前を向いて仕事をすることにした。しばらくたって、何となくうしろがザワついているのに気が付き、ふと振り返るとおカネ君たちが前にも増して集まってきていました。でも、おカネ君たちに近づくと幾人か逃げて行った。

逃げて行ったおカネ君たちは、どこへ行ったんだろうと気になって、その行方を捜した。居ました。寂しがり屋で臆病者のおカネ君は、いっぱいおカネ君たちがいる安心して居られる人の元に。

仕事には対価は付き物。しかし、対価を求めて仕事はしてはいけない。先ずは、仕事を成功させること。黙って対価はついてくる。

時代の流れ・・というものの


令和になって時代の流れの早さを感じるようになってきた。コロナによって時間の使い方に、戸惑いを隠せない昭和の人(おれか…)。

昭和の市場は、月月火水木金金に感じてた。平成になっても一週間は6日。働く時間が生きがいになっていて、土曜日は、眠さを吹き飛ばし遊んでいた。日本中がそんな活気というかギラギラしていたように思える。

平成になると若干週休二日制が、社会において浸透し始めて、土日の連休というのが定番化してきました。そこで花の金曜日が盛り上がった。金曜日は、忙しかった。たった一日休日にしただけなのに、大いに盛り上がったように思える。

景気低迷のきっかけは、個人的に消費税の増税だと思う。そこからすべての歯車が、狂い始めたように思えてならない。そのタイミングで、次々と不運が舞い込んできて、今となってはコロナ&ロシアの侵略戦争の影響まで出始めている。

そんな中、昭和~令和の育ちの違いからくる考え方の違い。これにどの会社の中間管理職・中小企業経営者は、頭を悩ませる。あまりにも時代の流れが速すぎているのか、それとも昭和の連中の対応能力に問題があるのかはわからないけど、戸惑う日々。

これから令和生まれと話をするときが間近に迫っていて、それは昭和の人間にとって、明治の人間と話をするようなもの。きっと時代錯誤も甚だしいと言われるのでしょうか。

好きな仕事にしなきゃ


好きな仕事で一生を終われる人ってどれくらいいるのだろうか。我々の仕事は、教科書にもほんの少し出るだけで、その仕事と存在は、興味がある人しか知らない。有識者と言われる人でもなかなかその業務の深さを知るまでは、時間を要する。

好きな職業につける奴はそういない。就いた以上は、好きになるように努力しなくてはならない。先ずは、生活のため。生活ができるようになったら、よりよい生活、少しでも余裕が欲しい。そのためには、今以上の仕事をし、昇格・昇給によって社会的地位とともにそれを得る。そんな考え方が普通と言われるものなのだろうか。

嫌いな仕事を好きにするって大変なようで大変ではない。その仕事の見る角度を変えることで、案外好きになるかもしれない。やってみて、先輩・関係者に魅力を聞いて、総合的に自分で判断する。嫌だと思う気持ちばかりが先行するならば、辞めればいい。

但し、好きになろうという努力をしない者は、何やっても信頼されないと思う。できないものに一生懸命にやっている姿は、誰かがきっと見ていてくれる。

権利主張して義務怠る


自己中なのか周りに気配りできないのか、最近そういう無神経と言われる人の話をよく聞くし見かける。プライベートなら我慢もできよう。それが仕事となると大迷惑。社内のみならず取引先まで波及することもある。

そこで問題が「休暇」である。中小零細企業のハードルのひとつ。

有給については、社員がとるべき権利ですが、そこで義務を怠ってはいけません。この時の義務を履行するための重要なポイントが「引継ぎ」「周知」です。

自分しか知りえない事、自分が担当している事などは、誰かにフォローしてもらわなければ得意先に迷惑をかけるし、会社に損失を与えることになります。それには「引継ぎ」が不可欠です。

特にタイムリーに商品を販売することが要求される生鮮の仕事では、「休暇中に連絡が取れる状態」が義務として存在します。

当然、引継ぎが完璧なら、休暇中に連絡をすることはありませんし、周りが休んでいることを知っていれば、あらゆる面でのフォローができます。

報告・連絡・相談という情報伝達は、「人は必ず間違いを起こす」からやらなければならいことで、そのことで、周りに迷惑をかけないために、どの会社でも唱えていることです。「仕事ができる人か否かは、これができているかどうか」と言っても過言ではない。

これから、有給休暇を取らなければならいという権利のために、義務を怠らないように引継ぎと周知を徹底することを意識することです。

弱者はさらに弱者に


「そんな取引条件ってあるんだあ~」と思わず口にしてしまった。地元のガソリンスタンド。店主のおやじさんに聞いてみると、ガソリンスタンドが何故セルフになっていくのか、何故つぶれるのかが見えてきた。不条理な取引。まさに公正取引委員会に訴えればくらいのもの。

ガソリンスタンドは、元売り商社より前払いでガソリンを仕入れる。販売料金は、率で売価を決めるのではなく、額で売価を決める。例えば150円原価に対して10円の利益を載せて160円売り、200円でも210円。カード利用者が多くなっている今日、便利な反面カード決済は長い。しかも率。前金で仕入れているので、当然キャッシュフローが悪くなる。アルバイト・従業員などの時給も上がり、厳しい状況に追い込まれる。

いままでと同じ風にやっていたら、この苦しさから脱することができない。価格競争から脱却するのは、「差別化しかない」。お客さんにとって自分のところで給油したら、どんな得を得られるのか、がキーポイント。同じガソリンにどう付加価値を付けるのか。

できない理由を探さず、どうしたら出来るのかを考えよう。